ARIA 12巻 感想
夏ですね。そういえば、夏が一番の舞台なのでここで終わるのでしょうが、
夏に別れがある作品って珍しくない?(学園青春モノとか除くと。)
すべてのものは移ろい変わる。人は変わり続ける存在である。
だから変わらないモノを表現する。そしてそのモノに対して感情を抱く。なるほど。
天才の後輩の偉業に、晃さんも藍華の心情を気にしていたみたいですが、当の藍華自身は、
昨日の今日ではあったものの、天才アリスの進歩を自分も前に進む原動力にしたみたい。
藍華、その心持ち、すごいよ。さすが未来の女王。
その覚悟で、ひと月後に一人前試験が決まります。がんばれ。
さて、一人前になったアリスは多忙。そりゃそうだ。
気持ちにも余裕がなくなってネガティブになってしまっていましたが、
灯里・藍華が夜部屋に遊びに来てくれます。
会う理由なんてその人だけで十分、なんて素敵な友情!
さて、時は夏真っ盛り、合同練習中に、いつのまにか藍華の手袋がなくなっています。
無事昇格できたんですね!めでたい!さすが「薔薇の女王(ローゼンクイーン)」です。
(割と応援してたから描写ほしかったのは内緒です…。)
言うときにポロポロと涙を流す藍華は、ほんとうに性格が現れていますね。
そして物語は急速に動きます。
「物事の変化は、お互いの変化を呼び合うかのように連鎖が重なる。
まるで始めからその瞬間を運命づけられていたかのように。」
灯里も昇格試験をし、見事合格。通り名は「遥かなる蒼(アクアマリン)」。
その寛大さというか、透明感というか、よく灯里を指してますね。
そして未来へと物語は紡いでいきます。
一緒に歩いているときはみんな同じように感じるけれど、本当は自分だけがそれぞれの道を歩いている。
変化が嫌なら立ち止まれるけど、未来の素敵な自分たちに会うためには、
変化を怖がらずに受け入れて、歩いていくしかないんです。
アテナさんはその歌声で歌劇デビュー。
アリシアさんは寿退社で協会の要職に就くのだとか。指輪の殿方ですかね。
晃さんは残る水の3大妖精として、現役トップ水先案内人として燦然と輝く。
男性陣もみんな一人前になったようです。
アリスは水先案内業界で超絶注目されているようです。
藍華はアルくんともうまくやりつつ、姫屋の新規店舗の支店長としても忙しくしているみたい。
灯里はARIAカンパニーでアリア社長と2人でなんとかやっています。
まさか灯里のメール先、不特定とはね。ブログ的な感じなのかな。
6巻よろしく、淋しさに過去を振り返ることはあっても、囚われてはいけません。
最後には、うれしいことも。ARIAカンパニーに新入社員、アイちゃんが加入です。
変化を恐れず歩いて行けば、ちゃんと嬉しいこともあるんですね。
アイちゃんの物語も気にはなりますが、そこはそっと本を閉じます。
まったりした作品だと思っていたので、こんなに最後に胸躍らされるとは思ってませんでした!!
いろいろな「素敵さ」を楽しむことや淋しさとの葛藤の仕方・変化の重要さを教えてくれて、とても楽しめました!
とても心に響きました。出会えてよかった。
(前:11巻感想)
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